【調査】外で暮らしている猫を保護したことはある? 保護する際の好ましい手順、保護猫と暮らす際の心得は|獣医師解説
2025/08/31
猫を家族に迎える際の方法はさまざま。なかには、外で暮らす猫を保護してお迎えしたという人もいるでしょう。
【調査】外で暮らしている猫を保護した経験はありますか?

引用元:外で暮らしている猫を保護した経験に関するアンケート(ねこのきもちWEB MAGAZINE)
ねこのきもちWEB MAGAZINEは、 飼い主さん239名に「外で暮らしている猫を保護した経験はあるか」というアンケート調査を実施。
すると、今回の調査では飼い主さんの約6割が「保護した経験アリ」だとわかりました。
【体験談】どのような場所にいた猫を、どんなふうに保護した?

飼い主さんたちは、どのような場所にいた猫をどんなふうに保護したのでしょうか。当時のエピソードをうかがいました。
庭など、自宅の敷地内で
- 「庭に生まれて間もない子猫4匹と一緒に野良猫が引越してきました。しばらく様子を見ていたら、2週間ほどして1匹だけ残して、引っ越してしまいました。カラスが狙っている感じだったので保護しました」
- 「ある日、急に我が家の庭に現れ、数日間毎日通ってきて『ニャー! ニャー!』と鳴いて家の中に入りたがった。そのまま居着いてすんなり家に入り、室内飼いのうちのコになりました」
- 「庭の裏で鳴いている子猫を発見。2日くらい様子を見たが、親らしき猫が現れないので保護しました」
- 「屋根裏に野良ちゃんが子猫を産んでそのままいなくなったので、子猫を2回保護したことあります。そのまま飼いました」
- 「家の駐車場によく来る野良猫を捕獲器を使って保護し、その後は妹が引き取り飼いました。北海道で冬は氷点下になるので、雪が降る前に捕獲できてよかったです」
- 「たまたま自宅の縁の下に住み着いていたコ。なので、そこから逃げないように餌付けをして、じわじわ距離を詰めていって保護した」
ケガをしていて保護
- 「大怪我をしてびっこを引きながら庭にやってきたチャトラを保護し、すぐに動物病院に連れて行きました。手術をお願いし、生きられるかどうかはこのコの生命力次第だと言われましたが、すっかり元気になり、うちのコになって8年になります」
- 「交通事故にあって道路に横たわってる子猫を保護しました」
- 「実家の納戸の中で子猫を産み育てていた親子の中で、一番体の小さい未熟児のコがトンビにさらわれそうになったところを助けました。大怪我だったので病院に連れて行って、そのままうちのコになりました」
鳴き声が聞こえて
- 「車で信号待ち中、猫の鳴き叫ぶ声が聞こえてきたので見渡すと、道路脇の雑草の間に子猫が1匹だけでいた。交通量もそれなりに多く、カラスや野生動物もいる場所だったので、思わず車を路肩に寄せて保護した。まさかそのまま飼うことになるとは…(個人的に猫を飼うのは初めてです)」
- 「夜中に近所で子猫の鳴き声が聞こえて、朝まで1匹で鳴いていたので保護して、そのまま病院へ。我が家のコになりました」
- 「アパートの下で鳴いていた。旦那が抱っこして部屋に連れてきてくれて、それ以来うちのコになりました」
- 「田んぼのあぜ道で鳴いていたのを助けた」
- 「家の周りでママを探して鳴いていた子猫を保護しました。ママらしき猫が何匹かいたのでその猫たちは手術をして、元の場所にリリースしました」
職場で
- 「突然、主人の仕事場に現れるようになった子猫が主人になつき、妊娠したことがきっかけで保護しました」
- 「会社に来ていた猫ちゃんにゴハンをあげて、馴らして触れるようになってから保護しました」
- 「職場の駐車場でひとりで鳴いてたので、職場の仲間と2、3人でなるべく猫さんを怒らせないように気をつけながら捕獲しました」
- 「会社の周囲にいた猫が子猫を産み、あまりにたくさんだったので皆で協力して子猫を引き取りました。最後に1匹残ったコを引き取りました」
- 「今飼っている猫は、私の職場に子猫のときに迷い込んできました。外に出してもまた建物の中に入っている、保健所に連れていくしかないのか…という会話が聞こえてきて(私はそのときまだその猫の姿を見ていなかった)、すぐに私が飼いますと言いました」
ほかにも、こんなエピソードが
- 「家の近所のドブの中で、猫風邪で目も開いてない状態で鳴いていた。近付いて来たのでそのまま保護して、動物病院に連れて行きました」
- 「散歩していたときに子猫がついて来たので、そのまま保護しました」
- 「家の近くのゴミステーションにいた子猫を子どもが拾って保護しました」
- 「近所の野良ちゃんがなぜか私の帰りを待つようになり、そのままついてきては家に入ってくるようになり、こちらも飼い主のような気持ちになってしまい保護することにしました」
- 「6ニャンみんな外で私が保護しました。その中の1ニャンは川に落ちているのを散歩中に見つけ、レスキュー隊の人に助けてもらいました」
- 「ダンボール箱に子猫が入って置いてあると聞き、友達と引き取りに行った」
- 「つい先月の話です。突然、猫の鳴き声がすると思ったら家の前に子猫…親猫は見当たらないし…そのまま三日三晩庭にいて鳴き続けてるし、うちの家猫2匹も窓に張り付いたままだし、もう雨が降り出すから、『このまま庭で死なすわけにはいかん!』と、エサでおびき寄せながら、家に入ったところでタオルかぶせて確保! 1日かそこらで落ち着いて、今じゃ家中走り回っております…」
【獣医師解説】外で暮らしている猫を見つけて保護した際の対応、保護猫と暮らす際の心得は

外で暮らしている猫を見つけて保護する際、まずどのような対応をするのが好ましいのでしょうか。ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に聞きました。
岡本先生:
「外で暮らしている猫を見つけて保護する場合、ダンボールやクレートなどにタオルを敷いて保護し、動物病院へ連れていって健康チェックや必要な検査を受けましょう。
保護した際に猫に下記のような様子が見られる場合は、緊急性のある状態です。
・足を引きずったり、動き方がおかしい
・出血が止まらない
・元気、食欲がない
・呼吸が速い
すぐに動物病院を受診しましょう」
猫を保護してお迎えするときに心得ておきたいこと
岡本先生:
「動物病院で猫の健康状態などを確認したあとの流れですが、家で保護して一緒に暮らしていくのか、それとも里親を探すかを決めるのが一般的かと思います。
動物病院で猫の推定年齢を確認したら、年齢や健康状態に合った必要なグッズ(食事やケージ、爪とぎなど)を用意しましょう。
保護した猫を家族に迎え入れる際、とくに成猫は家の環境や人に慣れるまでに時間がかかる可能性があることを、十分に理解してください」
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
ねこのきもちWEB MAGAZINE『外で暮らしている猫を保護した経験に関するアンケート』
※アンケートは飼い主さんがご自身の体験を回答したものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
※記事の内容は2025年8月時点の情報です。
取材・文/雨宮カイ