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複数飼い円満のコツは“先住猫ファースト”? よくあるシーン別対処法を解説

2025/09/07

複数の猫と暮らしている飼い主さんも少なくありませんが、もともと猫は単独行動する動物なので、新しく猫を迎える際は、先住猫がストレスを感じやすい傾向にあるようです。

そこで今回は、複数飼いのご家庭でよく見られるケースを5つ取り上げ、獣医師の椎木亜都子先生に“円満のコツ”を教えていただきました。

ケース(1)新しい猫が先住猫のフードを横取りする


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ピッタリくっつく猫たち
引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

食欲旺盛な若い猫が、同居猫の食べ残しを狙うケースは多いもの。しかし、横取りとなると新しい猫が「自分が優位」だと、力関係をアピールしている可能性もあります。優しい性格の先住猫の場合は、そのまま譲ってしまうことも。

先住猫のためには、物理的に横取りされない環境にすることがベスト。食事場所を別々の部屋に設けて、1匹で落ち着いて食べられるようにしてあげましょう。ケージがあれば、新しい猫の食事場所にしてもOKです。

ケース(2)新しい猫が先住猫にしつこくじゃれつく


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仲よし姉妹
引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

新しい猫がしつこくじゃれつき、先住猫が猫パンチをするケース。これは、とくに年の離れた猫同士に見られます。新しい猫は遊びたくてじゃれついていても、中高齢の先住猫にとってはわずらわしいもの。猫パンチしたときに相手を爪で傷つけることもあり、注意が必要です。

この場合、先住猫がうなるなど険悪なムードが漂っていたら、おもちゃなどを使って新しい猫の気を引き、速やかに2匹を引き離しましょう。もしケンカが始まったら、飼い主さんが手で制すると危険です。猫たちの間にクッションを投げるなどして遮断してください。

ケース(3)先住猫と飼い主さんのスキンシップ中に新しい猫が割り込む


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仲よくひなたぼっこする猫たち
引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

新しい猫は先住猫のマネをしたがるもの。先住猫が飼い主さんのひざにのっていたら、「自分も~」と割り込むこともあるでしょう。

そんなときはいったん立ち上がり、どちらの猫ものせないようにすれば「邪魔された」というマイナスな感情が先住猫に残りにくいはず。そのうえで、あとからしっかりと先住猫のフォローをしましょう。

たとえば、かまってほしくて近づいてきたら、スキンシップなど先住猫の好きなことを存分にしてあげて。その際、再び邪魔されないように、新しい猫の目の届かない場所で行うようにしましょう。

ケース(4)新しい猫が先住猫の猫ベッドで一緒に寝ようとする


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今日も仲よし♪
引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

新しい猫が先住猫になついてくると、一緒にくっついて寝たがることもあります。それ自体は好意的な行動ですが、先住猫が単独でリラックスしたいときは迷惑な場合も。また、1匹サイズの猫ベッドを2匹で使うのは窮屈なので、そのことを嫌がる猫もいるでしょう。

この場合、先住猫が今までどおり使えるよう、まったく同じ猫ベッドを用意して2つ並べて置いてあげましょう。別々の猫ベッドを使うことで適度な距離感を保つことができ、先住猫には心地がよいはずです。

ケース(5)新しい猫と遊んでいる最中に「一緒に遊ぶ?」と先住猫を誘う


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仲よく眠る猫たち
引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

飼い主さんは「2匹一緒に遊ぶと楽しいかも」と思いがち。同年代の若い猫同士なら可能かもしれませんが、そうでない場合は、活発な新しい猫に先住猫が圧倒されてしまうケースが多いでしょう。

猫と遊ぶときは、まず新しい猫だけで遊ばせてエネルギーを発散させ、その後、先住猫のタイミングを見計らって好きなおもちゃで遊びに誘いましょう。猫にとって「遊び=狩り」なので、一般的に空腹時がアクティブです。新しい猫のいない部屋で遊び、邪魔されないようにしましょう。

複数飼いをするうえで大切なのは、先住猫がこれまでどおりの生活を送れる配慮をすること。つまり“先住猫ファースト”を意識することが、複数飼い円満への近道といえるでしょう。

お話を伺った先生/椎木亜都子先生(獣医師 「ペット問題行動クリニックBLISS」)
参考/「ねこのきもち」2025年8月号『よくあるシーン別に解説 複数飼い円満のコツは先住猫ファーストにあった!』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。