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入念に爪とぎをするのはどうして? 猫の「肉食系」な生態を専門家が解説!

2025/09/10

あなたの隣にいる可愛い愛猫も、同じネコ科動物であるトラとDNAを約96%も共有しています。今回は猫の「肉食系」な面に注目し、哺乳動物学者の今泉忠明先生にその生態を教えていただきました。あわせて、愛猫の性質に寄り添う暮らしの工夫も考えます。

実は超!肉食系なイエネコ


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ニャルソックをするスコティッシュフォールド
引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

ネコ科動物が分類される哺乳綱食肉目とは、一般的に肉食の動物のグループのこと。チーターやライオンはウサギやシマウマを、外で暮らす猫はネズミや鳥を捕食します。飼い猫のフードに「チキン」や「ターキー」が多いのは、イエネコも肉食動物であるためです。

というのも、イエネコは体重1kgに対し、約6.4gものタンパク質を必要とする体質。また、心筋や目をはじめとするさまざまな臓器の健康維持のために必要なタウリンを含む、肉類を食べる必要があるのです。基本的に肉以外を食べないその体は、野菜や果物を消化することはほぼできません。

それゆえ……爪とぎはかなり入念


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爪とぎに一生懸命な日本ネコ
引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

鋭い爪は、獲物を観察するため木に登るときや、獲物を捕らえて離さないときのために必要不可欠。それゆえ、外で暮らす猫やネコ科動物は森やサバンナに生える木を使って、飼い猫も爪とぎ器を使ってこまめに爪をとぎます。そうして古くなった爪の外層を剥がし、鋭い爪を保つようにしているのです。

それゆえ……優れた聴覚や嗅覚をもつ


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耳をピンと立てるマンチカン
引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

音やニオイで獲物を察知するため、イエネコを含むネコ科動物は聴覚や嗅覚が優れています。とくに鳴き声が高く動く音も小さい小動物を獲物とするイエネコの場合、可聴域は約45~6万4000Hzまで。人は12~2万3000Hzほどといわれており、猫の聴覚がいかに優れているかがわかります。嗅覚も、人と比較すると10万倍以上ともいわれています。別室で缶詰を開ける音やニオイだって、もちろん逃しません。

「肉食系」だから普段の食事にも気をつけて


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ごはんを食べるMIXミケ
引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫の食事は、タンパク質をしっかり含んだ総合栄養食をメインにすることを徹底して。愛猫が好むからといって、野菜などを与えるのは控えましょう。

また、爪とぎをしていたら“狩り”の準備OK!小動物のモチーフがついたじゃらしおもちゃなどで遊んであげてください。

愛らしい姿を見るとつい忘れそうになりますが、猫はまぎれもなく肉食系。食事や遊びなど、猫の性質に合った生活を意識してあげてくださいね。

お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2025年8月号『愛猫とネコ科動物、じつは共通点ばかり。猫の「狩猟本能」に、迫る。』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。