清潔な水を充分に用意して 猫の腎臓の負担を減らす水の与え方
2025/10/19
腎臓の予備能力が少なく、慢性腎臓病になりやすい猫。発症リスクを減らすには、日々の「飲み水」に気を使ってあげることも大切です。今回は、モノカどうぶつ病院院長の小林清佳先生に、猫の飲み水を用意するうえで気をつけるべき5つのポイントを教えていただきました。
(1)新鮮な水を複数カ所に用意する

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫はもともと、積極的に水を飲まない動物です。しかし、飲水量が少ないと尿が濃くなり、腎臓の負担が大きくなってネフロンが壊れやすくなります。尿石症や膀胱炎になるリスクも高まり、これらも腎臓のダメージにつながります。
十分な飲水量を確保するためには、清潔な水を家の中の複数カ所に、常に用意しておくことが大切です。猫のお気に入りの場所や通り道に置いておきましょう。
(2)水分を充分とれるよう工夫を

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫に水分を充分にとらせるには、“好きな水”を見つけることがポイント。好みの素材や形の器からはよく飲む猫も多いので、さまざまなタイプを試してみて。自動給水器の水や、水道の蛇口から流れる水を好む猫もいます。
さらに、ウエットフードやスープ状のおやつを活用するのも手。ドライフードに少量のぬるま湯を加えるのも一案です。愛猫が好む方法を見つけて、上手に水分をとらせましょう。
(3)器は常に清潔を保つ

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
水の中には、空中を浮遊するカビや猫の口内の菌が入って増殖します。器をよく洗っていないと、ぬるぬるとしたカビや菌が器に付着したままに。こうした器を日常的になめていると、じわじわと腎臓にダメージを与えるおそれがあります。1日に1~2回、水を交換する際に、器を中性洗剤でよく洗って清潔に保ちましょう。
(4)自動給水器のフィルターもこまめに掃除を

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
自動給水器を使っている場合も注意が必要です。取扱説明書に従って、本体をこまめに手入れしましょう。浄水機能の付いているものは、フィルター掃除やカートリッジの交換時期を忘れないよう注意してください。また、ケージに逆さに取り付けるタイプのノズル型給水器も、ノズル部分のお手入れがおろそかになりがち。定期的に洗うようにしましょう。
(5)不衛生な水を飲ませないための対策も

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
排水溝やお風呂の床、植木鉢の受け皿などに溜まった水を好む猫もいます。こうした水にはカビや雑菌、肥料の成分が含まれる可能性があるため、飲ませないで。シンクやお風呂場には入れないようにする、植木鉢は猫の届かない場所に置くなどして対策しましょう。
毎日の習慣の積み重ねで、腎臓の負担を軽減することができます。水の与え方や管理方法を見直して、清潔な水を充分とらせてあげましょう。
お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考/「ねこのきもち」2025年9月号『猫がかかりやすい慢性腎臓病予防のためにも 今すぐ始められる!「腎ケア」習慣』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。