急な温度変化にさらさない対策を!今日からできる愛猫のための腎臓ケアとは
2025/10/29
加齢とともに、猫が発症しやすい「慢性腎臓病」。ストレスは猫の免疫力を低下させ、慢性腎臓病の進行を早める原因にもなります。今回は、猫のストレスや健康チェックに気を配る習慣づくりについて、モノカどうぶつ病院院長の小林清佳先生に教えていただきました。
清潔な猫トイレを充分に用意して

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫は、静かで落ち着ける清潔な場所で排泄することを好みます。猫トイレが気に入らなかったり、汚れやニオイが残っていたりすると強いストレスを感じるうえ、排泄を我慢して尿石症や膀胱炎の原因になるおそれも。
猫トイレは「猫の匹数+1」個以上を用意し、猫が入りたいと思えるような場所に置くことを心がけましょう。排泄後はこまめに掃除し、猫トイレ本体も定期的に中性洗剤で洗って乾燥させましょう。
苦手な相手とは距離を置ける配慮を

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
苦手な相手と同じ空間にいることも、猫にとって大きなストレスに。逃げ場のない緊張状態が続くと、ストレスから慢性腎臓病が進行する可能性があります。苦手な同居猫・動物・家族とは空間や時間を区切って距離を置ける環境をつくり、安心できる居場所を確保してあげましょう。
急な温度変化にさらさない対策を

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫は寒暖差に弱く、急な温度変化もストレスの原因になります。室温は夏は28~29℃、冬は24~26℃を目安に保ち、湿度も40~60%を維持しましょう。秋口など温度差が大きくなる時期には、寝床やトイレまわりを暖かく保つ工夫や、フードや飲み水を温めるなど、早めの寒さ対策を心がけましょう。
猫らしく過ごせる室内環境に

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫本来の行動がとれる室内環境を整えることは、健康面でも重要です。周囲を見渡せる場所、上下運動ができる場所、隠れられる場所などをつくりましょう。また、適度な運動も心がけて。ストレス解消のほか、尿の滞留を防ぎ、尿石症予防にもつながります。
排尿状況は毎日確認

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
毎日の尿の回数・量・色・ニオイなどをしっかり確認し、把握しておくことが大切です。量や回数が多い・少ない・出ていない、色が薄い・濃い・赤~オレンジ色をしている、ニオイが弱い・強いなど、異変を感じたらすぐに受診しましょう。加えて在宅時には、猫トイレに入っているときの様子もさりげなくチェックしてください。
便秘や多飲多尿がないかの観察を

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
慢性腎臓病は初期には症状があらわれず、中期以降に多飲多尿、便秘、嘔吐、食欲のムラ、体重減少などの変化が緩やかにあらわれます。こうした小さな変化には気づきにくいので、「数カ月前と比較して変化が見られないか」という視点でも確認することを習慣にしましょう。
定期的な健康診断も大切!

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
定期的な健康診断は、病気の早期発見のカギになります。血液検査・尿検査のほか、必要に応じて超音波検査やX線検査も組み合わせ、異常を見逃さないようにしましょう。健康診断の頻度は、0~6才は1年に1回、7才以降は半年に1回が目安です。
愛猫の健康な未来のため、今できることに取り組みたいですね。
お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考/「ねこのきもち」2025年9月号『猫がかかりやすい慢性腎臓病予防のためにも 今すぐ始められる!「腎ケア」習慣』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。