やりがちだけど絶対にやめて!猫の緊急時にNGな対応
2025/12/03
発作時や誤飲・誤食をしたときなど、猫の様子が急変すると焦りますよね。しかし、飼い主さんがよかれと思ってした行動が、かえって取り返しのつかない事態を招くことも。今回は猫の緊急時にしてはいけない“ご法度”対応について、獣医師の椎木亜都子先生に教えていただきました。
誤食・誤飲したものを無理やり吐かせる

尖ったものなどを誤食・誤飲した場合、体をさするなどして吐かせることで、食道を傷つけるリスクがあります。水分で膨張する異物もあるので、水を無理に飲ませて吐かせようとするのもご法度です。獣医師が総合的に判断して嘔吐を促す処置をすることはありますが、自己判断はせずすぐに受診を。
発作時やパニック時の猫に触れる

心配して思わず手を差し伸べたくなりますが、それはご法度。触れられることでさらに興奮して状態が悪化したり、反射的に噛みついたりひっかいたりして、人の方が大ケガをするおそれがあります。ぶつかると危険なものや小さな子どもは猫から遠ざけ、決して手を出さずに距離を置いて見守りましょう。
排尿がないときに下腹部を圧迫して排尿させようとする

猫の下腹部を圧迫して排尿させる行為は「圧迫排尿」と呼ばれますが、膀胱が炎症を起こしていたり弱っていたりすると、膀胱が破裂してしまうリスクがあります。また、膀胱内の尿が腎臓に逆流し、腎盂腎炎という腎臓の病気になる可能性も。とても危険なので、自己判断で行うのはご法度です。
のどや肛門から出たひもを引っ張る

ひもが腸管に引っかかって腸ごと引っ張られ、腸重積(腸が重なって閉塞状態になること)になったり、消化管に穴が開いたりと、体内を大きく傷つけるリスクがあります。ひもが出ていても決して引っ張らず、そのままにして動物病院を受診しましょう。
愛猫の一大事には気が動転してしまうかもしれませんが、冷静な判断が大切です。適切な判断をしつつ、必要に応じて速やかに受診しましょう。
お話を伺った先生/椎木亜都子先生(獣医師)
参考/「ねこのきもち」2025年11月号『暮らしやお世話でとくにやってはいけないこと、まとめました。猫にご法度12ヵ条』
文/柏田ゆき
※記事と写真に関連性がない場合もあります。