腸内環境を整えることが大切!猫の健康を守るための「予防医学」とは|獣医師解説
2026/01/16
病気を治療するだけでなく、病気にならないよう未然に防ぐ「予防医学」。そのカギを握るのが「腸」です。腸が快腸だと、全身にもよい影響があります。今回は、腸を中心とした猫の予防医学について、獣医師の石川朗先生に伺いました。
猫の病気予防・健康維持には腸からのアプローチがカギ

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
近年、猫の平均寿命が延びたことの背景には、獣医療の進歩とともに、病気を未然に防ぐ「予防医学」が広く普及したことがあるといえるでしょう。
病気になりにくい体づくりを考えたとき、飼い主さんが行う日々の健康管理はとても大切です。なかでも注目されているのは、消化・栄養吸収や排泄といった、健康維持に不可欠な役割を担っている腸。すなわち「腸内環境」です。
腸は、脳や腎臓とも相互に影響し合っていて、腸の不調が腎臓や脳の不調にもつながります。こうした相互関係があるため、腸内環境を整えることは体の健康維持や病気予防につながると考えられているのです。
猫の健康寿命のカギを握る「予防医学」とは

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫の予防医学は、人の予防医学と同じように「病気や身体の不調を予防するための医療」と考えられており、以下の3つに大別されます。
一次予防「健康の維持・増進」
一次予防は病気を未然に防ぐための取り組みです。
- ワクチン接種:猫に重篤な感染症を発症させないための免疫をつけます。
- 寄生虫予防:ノミ、ダニ、フィラリアなどの寄生虫感染を防ぎます。
- 去勢・避妊手術:性ホルモンに関連する問題を予防し、健康維持に役立ちます。
- 食事・栄養管理:肥満・痩身を予防し、猫の健康を保つための適切な食事を与えます。
- 歯磨き・デンタルケア:口内の健康を維持し、歯周病などを予防します。
- 環境整備:猫がストレスなく過ごせるよう、適切な生活環境を整えます。
二次予防「早期発見・早期治療」
二次予防は病気の兆候を早期に発見し、重症化させないようにする取り組みです。
- 定期健康診断:年に1~2回。健康状態を把握し、病気の早期発見に努めます。
- 早期発見・早期治療:猫は体調変化を隠しがちなので、少しでも異変が見られたらすぐに受診し、病気の早期発見に努めます。
三次予防「再発防止・生活の質の向上」
三次予防は、病気の治療が終わったあとも健康な状態を維持し、再発を防ぐためのケアです。
- 病後の管理:病気になった猫が再びよい状態を維持できるよう、獣医師の指導のもと適切な管理、生活環境の整備を行います。
猫の予防医学で飼い主さんが毎日行うべきこと

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
飼い主さんが日々行うお世話のなかで、とくに病気予防・健康維持に関わることといえば、「食事管理」「ストレスのない環境づくり」「適度な運動」です。じつは、近年健康維持や免疫力維持で注目されている「腸内環境」に大きな影響をおよぼすのも、これら3つの要素といわれています。
栄養バランスのとれた食事を与え、ストレスがない環境を整え、適度な運動をさせることが、猫の腸内環境を良好に保ち、心身の健康を維持することにつながるのです。
予防医学と聞くと獣医師が行うものと考えがちですが、愛猫の健康を維持して病気になりにくい体をつくるためには、日々のお世話をはじめとした飼い主さんによる健康管理も大切です。飼い主さんと獣医師の二人三脚で予防医学に取り組み、愛猫の健康を守っていきましょう。
お話を伺った先生/石川朗先生(練馬テイルズ動物病院院長 獣医師)
参考/「ねこのきもち」2025年12月号『注目の「腸腎連関」「脳腸相関」も解説!猫の予防医学の要は腸だった!』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。