派遣切りの意味をきちんと知って、安心に働くポイント

リーマンショックの時に「派遣切り」が多く行われ、日比谷に「派遣村」ができたことは記憶に新しいですね。
そもそも、派遣契約は派遣元である派遣会社と実際に働く派遣先の企業との契約であり、派遣会社と派遣社員本人との契約ではありません。
派遣会社と派遣先の契約が解除されてしまっても、派遣社員が派遣元の会社でまだ働き続けられれば良いのですが、登録解除または新しい派遣先が紹介されない、となりそのまま職を失ってしまうことが多いのです。
それは、派遣会社も派遣する先の企業に合わせた人材を募集しているため、新しく別の派遣先を探すのは困難な場合が多いからです。
リーマンショックから10年。昨今は人材が不足している業界も多いのですが、派遣切りは無くなりません。では、なぜ派遣切りは起こるのか、また派遣切りされたらどうすれば良いのかを説明します。

「派遣切り」とは派遣先の企業が派遣会社との契約を打ち切ることです

「派遣契約」とは実は派遣社員と派遣先の企業との契約ではありません。

  • 派遣会社(派遣社員が登録している会社)と、
  • 派遣先の企業(派遣社員が実際に働く会社)

との企業間の契約です。
つまり派遣切りとは、契約期間が満了する前に、

  • 派遣先の企業が、
  • 派遣会社

との契約を打ち切ることや、契約期間満了後に更新を拒否して契約が終了することを言います。

派遣切りされると、派遣会社でそのまま働き続けられない場合が多い

派遣切りされても、別の派遣先に行ければ職を失いません。ところが、一度派遣切りされてしまうと、そのまま派遣会社で働けないケースが多いのです。
なぜなら、派遣会社は派遣先に合った人材を募集して派遣社員を雇うため、その派遣先から契約を打ち切られると、新しく別の派遣先を探すのが困難であり結果的にそこで働けなくなってしまうからです。
運よく新しい派遣先を見つけることができても、今まで培ったスキルを使えない職場など、派遣社員の要望と異なる会社しか無いことが多々あります。
そのため、一度派遣切りをされると、そのまま働き続けることは難しくなる場合が多いのです。

多くの派遣社員が「派遣切り」されたリーマンショックから早10年。人材不足と言われていても、やはり派遣切りは止まりません。安心して働く為には「派遣切り」の意味を理解し、対策を立てることが必要です。

派遣社員が同じ派遣先では3年以上働けない「3年ルール」のため派遣切りに合うことが多い

2018年から適用されている「3年ルール」。これは、同じ派遣先で、派遣社員としては3年以上働けないルールです。(ただし、総務課から営業課へ変更など課を変更すればOK)
同じ企業の同じ課で3年以上働く場合、

  1. 派遣先の会社で正社員になることを伝える(直接雇用)
  2. 派遣会社で正社員になる(無期雇用)、
  3. 新しい派遣先の会社へ行く
  4. その他、安定した雇用を継続できるよう派遣会社から措置を受ける

以上の4つのうちいずれかを選択しなければなりません。これは派遣会社の義務になります。
元々この「3年ルール」は派遣社員の安定のために設けられた規程ですが、これを逆手に取って3年前に契約を打ち切られることがあります。
3年以上働く際、派遣先の企業に「正社員にしてください」と依頼すると条件を満たした時点で正社員となります。これは企業の義務になるため断れません。そのため、「3年を迎える前」に契約を打ち切ってしまうのです。
派遣社員のためのルールが、派遣切りのための原因にもなっている・・・とても皮肉な話です。

「3年ルール」は下記の場合には当てはまりません。

  • 60歳以上の場合
  • 無期雇用の派遣社員(派遣会社と正社員などの雇用契約を結んでいる)
  • 終わる時期がはっきりしているプロジェクトに関わっている
  • 派遣先の企業の所定労働日数よりも相当程度少なく、月10日以下である日数が限定されている業務
  • 産休や育休、介護休暇の代替での業務

「派遣切り」をされてしまったら、不当解雇にあたらないか、3年ルールは適用できないかなど見直そう

「派遣切り」には契約期間の途中で派遣先の会社から契約を打ち切られる場合と、契約の満了時に更新をしない場合があります。それぞれのパターンでの対策を説明します。

契約期間の途中で派遣先の会社から契約を打ち切られた場合

契約期間の途中での打ち切りは「解雇」にあたります。この場合、正社員と同じで就業規則に基づいたはっきりとした理由が無いと派遣社員も解雇できません。そのため、どういった理由で解雇されたのか、しっかり確認しましょう。
もし、就業規則に基づくはっきりとした理由が無かった場合は不当解雇となります。慰謝料などが請求できますので専門家に相談しましょう。
また、解雇には「予告期間」といって最低でも30日前に解雇予告が必要です。こちらも30日前でない場合はその分の賃金を請求できますので専門家に相談しましょう。

契約期間が満了したがその後の契約更新がされなかった場合

  • 3年以上、同じ企業で同じ業務をしていた場合

正社員になれるので会社に「正社員にしてほしい」と伝えましょう。これは会社の義務になるため、断ることはできません。

  • 3年は働いていないが、1年以上働いていた場合

⇒派遣先の会社で1年以上働いていれば、社員になれることがあります。ただし、3年未満の派遣社員を社員にするかどうかは会社の義務ではないので、必ず社員になれる訳ではありません

「派遣切り」をされてしまったら、自分にどういった対処ができるか今一度状況を振り返ってみよう

派遣切りをされてしまったら、まずは、

  • 同じ派遣先で働いて3年以上なのか、3年未満なのか、
  • 契約の途中で打ち切られてしまった(=解雇)なのか、期間は満了したが更新されなかったのか、
  • 解雇の場合、30日前に予告されたか、きちんとした理由に基づいた解雇か、

を確認しましょう。

状況を把握したうえで対処をすればより事態の改善がしやすくなります。また、自分の生活を守るためにも外部との連携をし、自治体や弁護士など専門家に相談をするのも良いでしょう。
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