みなし残業とは?働く人が知っておきたいその仕組みとトラブル

決められた労働時間を超えた分に関しては、残業代が支払われることになっています。残業代に関する取り決めは職場によって異なりますが「みなし残業」制度を取り入れている職場もあるでしょう。
新聞やニュースなどで一度は聞いたことがある「みなし残業」ですが、その仕組みや制度について詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
みなし残業によるトラブルも少なくありません。企業で働くからこそ自分を守るためにも、みなし残業の仕組みや起こりやすいトラブルについて理解を深めることが大切です。

一定の残業時間が給料に含まれる!みなし残業の仕組み

みなし残業制度とは予め一定の残業代を給料として支払う仕組みのことです。別名固定残業代とも言います。
あらかじめ給料に残業代が入っているということは、働き方次第では従業員が働き損になってしまいます。
そのため、みなし残業代制度を取り入れる場合は、厳しい条件をクリアしなくてはいけません。

みなし残業制度とは?

みなし残業制度では、以下の条件で時間外労働を行っても残業代を支給しません。

週40時間を超える時間外労働
労働基準法では週に40時間までを法定労働時間と定めています。それを超える労働に対する割増賃金のことです。
深夜割増料金
夜の10時から朝5時までの労働に対しては、割増賃金を支払うことが法律で義務付けられています。
休日出勤
仕事が終わらずに休日出勤した場合は、割増賃金支払いの対象となります。

基本的には上記のような場合でも残業代を支給しません、しかし、一定の時間を過ぎた分に関しては残業代を支払う義務が生じます。

みなし残業代制度を取り入れるための条件とは

みなし残業代を会社で取り入れる場合、以下の条件を満たす必要があります。

従業員への周知と同意
従業員に対して就業規則などでみなし残業制度を取り入れていることを、周知させる必要があります。
口頭だけでの説明では不十分です。また、就業規則にみなし残業制度に関する記載があったとしても、社員が常に見られる状況でなければ意味がありません。
残業代に関する明確な金額や時間
みなし残業制度に含まれている固定残業部分の金額と時間が明記されていることです。

現在働いている企業や今後就職・転職予定の企業でみなし残業代を取り入れている場合、この2点をクリアしているかどうかをチェックする必要がありますね。

みなし残業制度を取り入れるメリット、デメリット

企業によってはみなし残業制度を取り入れていますが、そのメリットとデメリットについても理解しておきましょう。
企業のメリット

  • みなし残業時間内であれば、残業代の計算が楽
  • 残業代の抑制効果

従業員のメリット

  • 毎月の給料が安定している
  • 時間よりも効率で評価されるので不公平が少ない

企業のデメリット

  • 実際残業をしていなくても残業代を支払う必要がある
  • みなし残業時間超過分は残業代を支払わなくてはいけない
  • やり方次第では、従業員に訴えられるリスクもある

従業員のデメリット

  • 長時間労働のリスクが高くなる

企業と従業員ではそれぞれ抱えるメリット、デメリットが異なります。働く人にとってのメリット、デメリットについてよく理解しておきましょう。

サービス残業させられることも!みなし残業制度を悪用したトラブル

新聞やニュースなどでみなし残業制度を悪用したトラブルが頻繁に聞かれます。自分がその被害に遭わないためにも、よくあるトラブルについて知っておくことが大切です。

みなし残業が多い職種や仕事

みなし残業制度を取り入れている職種や仕事はいくつか共通点があります。

労働時間の把握が難しい場合
外回りの営業など、普段職場にいることが少ない仕事の場合正確に労働時間を把握するのが困難です。
裁量労働の場合
たとえば、研究職やソフト開発のような仕事の場合、常に仕事が忙しいわけではありません。
一時的に仕事が忙しくなることはありますが、山場を過ぎれば一段落します。そのため、会社が指示するよりも労働者が判断したほうが、効率よく仕事を進められるようになります。

みなし残業と聞くとブラックなイメージがありますが、必ずしも全てがそうだとは限りません。労働基準法に従った内容で適切に運用されていれば、違法ではないのです。
みなし残業がネガティブなイメージをもたれるようになったのは、ブラック企業が原因です。

ブラック企業では、みなし残業を取り入れているところが多くみられます。それは、待遇をよく見せかけてより多くの従業員を集めるためです。

給与額に残業代やその他手当を全て入れることによって、給料や年棒が高くなります。

給料の内訳をよく確認せずに、額面の多さだけに魅力を感じて、応募してくる人も少なくないのです。

みなし残業制度で多いトラブル

みなし残業制度を取り入れている会社で最も多いトラブルが、残業代の未払いです。残業代が給与に含まれているからといって、残業時間に制限がないわけではありません。
みなし残業制度では労働時間と残業代が予め決められています。その時間を超えた分に関して、企業は残業代を支払う義務があるのです。

超過分の割増賃金
みなし残業分を超えた残業分については、割増賃金を支払うことになっています。しかし、中には超過分が支払われないことがあります。
固定残業代が支払われないことも
みなし残業制に含まれている固定残業代については、たとえ残業をしていなくても支払うことになっています。
しかし、中には指定の残業時間に満たない場合、固定残業代を支給しないところがあります。

みなし残業分を超えた分の残業代に関して、前後の月で相殺することもできないのです。
ところが、実際にはみなし残業分を超えた分に関しては、サービス残業となるケースが多くみられます。

みなし残業によるトラブルを回避するには

働いた分の給料はきちんと受け取りたいでしょう。そこで、みなし残業によるトラブルを回避するための注意点について紹介していきます。

固定残業代をチェック
みなし残業を取り入れている職場では、固定残業代とみなし残業分が明確に分かれているはずです。
しかし、中には固定残業代を明記していないところがあります。そのような企業は、みなし残業によるトラブルが起こりやすいと判断できるでしょう。
最低賃金をチェック
たとえ残業代が支払われていたとしても、賃金(基本給+残業代)が最低賃金を下回るときは違法となります。

現在働いている会社や、今後就職・転職予定の企業にて残業代をチェックしてみましょう。

また、違法かどうかの自己判断が難しいときは、専門家(労働基準監督署や弁護士)に相談するのも手段のひとつです。

サービス残業で泣き寝入りしない!残業代は取り戻せる

長時間労働が問題視されるようになり、みなし残業制度について取り上げられる機会も増えました。
実際にみなし残業を取り入れている会社も多いのですが、中にはサービス残業を強いているところも少なくありません。
残業代の未払いで働き損にならないためにも、みなし残業制度について理解を深めることが大切です。
そして、残業代未払いの可能性が出てきたときには、早めに専門家に相談することをおすすめします。

この記事をシェア

合わせて読みたい

ページ先頭に戻る