問題解決能力は新入社員にも求められる!職場での鍛え方とは

問題解決能力とは、読んで字の如く、問題を解決する能力のことです。
最近の新入社員研修でも、プログラムに問題解決の考え方を盛り込むことが定番になりつつあります。
問題解決は、業務改善と同意語として扱っている企業もあるくらい、仕事に直結する考え方です。また、問題解決の能力が低いと昇進昇格が難しい企業があるほど、ビジネスで重要視されている能力ともいえます
でも、問題解決について書かれている書籍は、こむずしい言葉も多く、実際に書籍を買ったのに、あまり読まずに本棚の奥にしまっている人もいるのでは?
今回は、考える力を鍛えたい人に、問題解決の考え方と、能力の高め方を紹介します。

問題解決能力は必要?仕事するうえで必須スキルと言われる訳

実は、問題解決の能力は誰もが持っているスキルです。そのため、新入社員にも能力の発揮が求められます。

例えば、新入社員であれば、自業務のより効率的な業務遂行が期待され、その中で生じた不具合の問題解決が求められます。
主任であれば、自チームの問題解決、課長であれば自組織、社長であれば経営にかかわる問題解決が求められるように、置かれている立場や期待されている役割によっても、問題解決の成果は異なります。

また、これまでの経験の中で培ってきた視座の高さや視野の広さなど、物事を見ている視点によっても、問題解決の能力に差が生まれてきます。
会社では毎年、個々人で目標を設定します。問題は、目標と現状のギャップといわれていますそのギャップを埋めるべく、私たちは日常業務で、問題解決に取り組んでいるといえます

問題解決の能力が低いと、コミュニケーションにも影響が出る

問題解決の能力は、考える力の強さの度合いなので、頭が良い、悪い、勉強ができるできないで測るものではありません。
もし、「私は問題解決ができないから、コミュニケーションでなんとかやっていく!」と思っている人がいたら、是非とも思い留まってほしいです。
特に、女性だけの職場はチームワークがものをいう世界ですが、それだけで解決できる問題と、解決できない問題があります

コミュニケーションも、頭で考えて行動する「結果」に過ぎません。つまり、コミュニケーションも、問題解決行動の一つといえます。

いくら人とうまく話すことができても、そもそも発生している問題に着手できなければ、コミュニケーションの発揮も限定的になってしまいます
そのため、問題解決の能力が低い人は、コミュニケーション能力も決して高くはならないのです

問題は時間軸と問題の深さの違いから3つに分けられる

普段から私たちは「問題」という言葉を使っていますが、問題には、大小様々なものがあります。大きくは、3つの種類があります。

1.目に見えて起きている問題

例えば、

  • お客様からのクレーム
  • 納期が間に合わない
  • スタッフによって残業時間にばらつきがある

といった、誰の目にも明らかな問題がこれに当たります。発生型問題ともいいます。

2.表面的な問題の中に隠れている、根本的な問題

問題の裏にある、潜在的な問題です。

例えば、「従業員の残業時間にばらつきがあるといった問題の根本的な問題に、業務内容が標準化されていない」という問題が潜んでいるということです。

根本的な問題は、一見すると認識できない問題です。表面的な問題を掘り下げていくことで、見えてくる問題となります。

3.将来を思い、自ら設定する問題

設定型問題ともいわれますが、よりよい未来の状態を思い描いた時に、挙げられる問題のことをいいます。

例えば、「クレームが発生しない状態を目指して、現時点でオペレーターの応対品質を上げる」という問題を設定することです。

発生型の問題は過去から現在に生じた問題であるのに対して、設定型の問題は、よりよい未来の状態を思い描いた時に、設定する問題という違いがあります。

問題解決の基本的な考え方とステップを押さえておこう

問題解決には、基本的な考え方があります。このステップを覚えておきましょう。

  1. 問題を発見する
  2. 問題の原因を分析する
  3. 解決策を考える
  4. 解決策を実行する
  5. 実行したことを振り返る
  6. また実行する

問題解決は、この繰り返しになります。

普段、私たちは業務中に問題が起こったら、なぜこうなってしまったのか考え、また同じようなことが起きないように対策を考えて行動します。その後、問題が起こらなかったか、振り返ります。

言語化すると難しく思えてきますが、私たちは、普段から問題解決に慣れ親しんでいるといえるでしょう

問題を発見する力を鍛える。あらゆる所にヒントが溢れている

問題解決は考える力なので、分析力が重要だと思われていますが、実は、問題発見の方が、最も重要で難しいフェーズです
なぜならば、問題を認識できなければ、問題も解決できないからです。「全く問題がない」と思っている人は、もしかすると「思考停止状態」になっている可能性がありますよ!
ここでは、問題を見つけるためのヒントを紹介します。

面倒くさがり屋はラッキー。そこに問題解決の余地あり!

自業務の中で、「めんどくさいな」と思いながらしている作業はありませんか?
実は、この面倒くさいと思う瞬間こそ、問題発見のきっかけになります。

例えば、自業務の中に、「営業担当者の請求書を発行する際に、コピーを2枚とって、一枚は経理に、もう一枚は営業担当者ごとにファイルに閉じる」という作業があるとします。
繁忙期でも、請求書のコピーを2枚ずつとって、複数いる営業担当者ごとに発行した日付を気にしながらファイリングする・・・。

どこか、改善できそうではないですか?実際にやってみると面倒くさい作業でも、それが当たり前になっている人であれば、面倒くさいと思えない人もいます

目的意識を持つ。「何のためにやるんだっけ?」を考える習慣

私たちの周りには、当たり前のようにルーチン化した作業や、昔から社内に伝統のように根づいている業務があります。

例えば、発行した請求書を2枚ずつコピーし、1枚は経理に回し、もう一枚は営業担当者ごとにファイリングしている作業。この作業を、そもそも何のために行っているかを考えたら、

  • 経理部で、請求書を提出した控えを保存する
  • 営業部で、営業担当者ごとに売上を確認したい

という目的だったとします。そうであれば、1枚だけコピーして、1つのファイルを経理と営業部で共有すればいいかもしれません。
また、請求書をPDF保存して、自社サーバーに営業担当者ごとに保存しておくのも一つかもしれません。
そもそも、社印を電子印に変えてしまえば、別の工程も簡素化できるかもしれません。

このように、作業の目的を考えてみると、他部署で同じ作業をしているのが無駄だと分かったり、工程の省略や業務の効率化につながったりします

ただし、ここで注意したいのは、当事者意識をもって「そもそも」を考えることです
私の知り合いにも、「そもそも」が口癖の人がいますが、そもそもに立ち返りすぎると、自業務の範疇を超えて、会社の事業見直しにまで立ち返ってしまうこともあります。
ただの批評家になってしまわないよう、自分が解決するという意識をもって考えてみてくださいね

問題の原因は、頭の中にある情報をロジカルに整理して特定する

問題が特定できたら、次は問題の原因を探るフェーズです。原因分析には、ロジカルシンキング(論理的思考)が必須です
ロジカルシンキングとは、情報をもれなく、だぶりなく整理することです

例えば、「営業支援スタッフの残業時間にばらつきがある」という問題の原因には、「営業や先輩とのやり取り」といったコミュニケーションだけではなく、「抱えている業務の性質」や、「業務フロー」といった仕組みにも原因が考えられます。

ロジカルシンキングを心がけていると、頭の情報が整理されるので、相手に伝わりやすく、自分の意見や提案も通りやすくなります
ここでは、原因分析の方法を紹介します。

論理的に考えるために、ポストイットを使って頭の中を整理する

ロジカルシンキングに慣れていない時は、ポストイットなどに、問題の原因を思いつく限り書き出してみましょう。
書き出す内容は、思いつきで構いませんが、できる限り、具体的に書くことと、たくさん書き出すことが重要です。その後、同じような内容はまとめておきます。
ポストイットは、グループで問題解決に取り組む時にも有効です。書いた人の名前を書かなければ匿名性が確保できますし、可視化することでグループ全体で問題を認識することができるからです。

ポストイットを並べて、因果関係を明らかにする

トヨタの業務改善の一つに、問題の原因を考える時は「なぜ」を5回繰り返すという手法があります。その問題がなぜ起こるのかを深掘り、最後の「なぜ」が、真の原因となるというものです。
ここでは、先ほどのポストイットを、「結果」と「原因」を意識して並び変えてみましょう。このフェーズで重要なことは、因果関係が明確であるかを検証しながら進めることです

例えば、「定時に、今日中の仕事を頼まれる」という結果の原因が「営業が忙しいから」と考えたとします。その時、「営業が忙しいから、定時に仕事を頼まれる」というのは辻褄が合うでしょうか?
忙しいという理由よりは、「営業が帰社する時間が、定時間際だから」や、「営業が依頼する仕事を貯め込んでいたから」などが挙げられるかもしれません。

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このように、原因を考える時は、辻褄が合うかどうかを検証しながら進めると、より精度の高い論理構成になります。

あるべき姿をイメージし、効果的な解決策を考える

原因が特定できたら、どうしたら解決できるか?を考えます。
「これが解決するんだったら、苦労しないよ!」と思われる問題を抱えていたら、次のようなことを参考に進めてみてはいかがでしょうか。

「三方良し」の心得から、全体最適で考えてみる

三方良しとは、近江商人の心得で、「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」のことです。
売り手と買い手の他に、社会貢献もできるビジネスを目指すという教えですが、これは自分都合ではなく、他部署や顧客など、自分と異なる立場の存在を念頭に置きながら解決策を考えることで、全体最適につながるという意味合いにもなります

自分の一つ上の役職を想定しながら考えることも、視座が上がるのでおすすめです

他人の意見に耳を傾け「そうかも」と思えると、視野が広がる

問題解決の能力が向上しない原因の一つに、「思い込み」があります

人は、誰もが自分のフィルターを通して物事を見ています。生まれ育ってきた環境や経験知、価値観が、思い込みが生じさせてしまいます。

解決策には、多面的に物事を見る視野の広さが不可欠です。「これしか方法はない」と思った時こそ、実は、危険なのです。
できる限り、自分と違う立場の人の意見にも耳を傾けるようにしましょう。

先に良いイメージを共有し、「誰がやるか」は後回しにする

問題解決といっても、自分の負荷がかかるようなことは誰もやりたがらないでしょう。どんなに素晴らしいの解決策でも、初めから仕事を押しつけ合っていては、話は前に進みません

解決策を考える時は「でも、誰がそれをやるの?」というワードは禁句です。
「誰が」は、さておくとして、こうなったら良いという「良い状態」をイメージし、共有してから、役割分担は考えましょう

解決策を確実に実行するために、スケジュール表の作成はMUST!

アバウトな解決策は、実行できるように、細かく取り組み内容をリストアップする必要があります。

例えば、「スタッフの業務スキルのばらつきをなくすために、業務マニュアルを作る」という解決策は抽象的です。

  • どういう状態が、スタッフの業務スキルが均一化したといえるのか
  • マニュアルを作るためには、何をするのか

といったことを、定性的かつ定量的に設定していきます。

目標とやることリストはもちろん、おおよそのスケジュール表も作成しましょう。

問題解決は行動しないと意味がない!何もしていないのと同じ

どんなに効果性の高い解決策を考えても、実行されなければ成果と認められません。ここでは、行動に移す際のヒントを紹介しています。

壮大な取り組みは、まずはスモールステップから始めよう

今まで取り組んでこなかった事であればなおさら、改善するのに労力を使います。
特に、周囲を巻き込む業務改善の場合、社内文化として馴染みのあるものほど、周囲からの反発も伴います。
とん挫することのないよう、ちょっと頑張れば出来そうな、小さなことから始めましょう。

現場をしらけさせない工夫をする

例えば、業務マニュアルを作ったとして、それを運用してもらうためには、マニュアルをただ配るだけでは、現場に浸透しません。
何か新しいことを始める時には、誰かがしらける状態をなくすことが大切です。

説明会を開いたり、必要であれば一人ひとりにフォローする、定期的に使い勝手を確認して改善するなどの行動が、現場の心の抵抗を軽くしていきます。

問題解決に終わりはない。ひたすら振り返りと実行を繰り返す

社内では、解決策を誰もが実行していたはずなのに、いつの間にか、形骸化しているという現象がよく起こります。
そのほとんどの原因は、途中で「振り返り」のセッションを設けていないことにあります

取り組んでいる中で、予想もしていなかった、新たな壁にぶち当たることもあります。その壁の原因が何であるかを、また考える必要があります。

どのフェーズで行動の結果を振り返るか、その後の計画についても予め考えておきましょう。

問題解決の能力を高めるための唯一の方法。常に自分で考えること

環境変化の激しい昨今では、ビジネスもスピードが命です

いざ、問題が起こった時に、
「じゃあまず、問題が起こった原因を分析しよう!あれ、ポストイットどこにいった?」
と、取り組んでいる余裕も時間もないかもしれません。

しかし、問題解決の考え方をフレームワークとして頭の中においておくと、ごちゃごちゃしていた頭の中も整理できるようになってきます。
また、常に一つ上の立場から考えていると、問題の全体像がより見やすくなりますし、他の選択肢を常に模索していると、視野も広がってきます。
常に自分の頭で考え続けていると、自然とアウトプットのスピードも質も上がってくるので、結果として、問題解決の能力も高まります

考える力は子供の頃から培われる。幼少期から問題解決の力を育てよう

もしお子さんがいらっしゃれば、子供に対する接し方を変えてみるというのも一つです。
問題解決などの考える能力は、社会人になってから養うものではなく、幼少期の普段の生活から磨かれていくものです。
少子化の昨今では、子供に対して目が行き届きやすく、なんでも手を出し述べてしまいがちです。かくゆう著者も、その一人。
答えを与えられて育った子供は、想像力に乏しく、自分で何とか解決しようとせずに、問題から目を背けてしまう大人に育ってしまう可能性もあります

子供と「一緒に考える」過程を作ると、自分自身にとっても、「なぜ」を考えるきっかけにもなるのでおすすめです。

子供の目線から物事を見ると、とても新鮮で発見があります。
能力は日々の積み重ねで養われます。読書や、一日二日の研修で身につくものではありません。
問題解決の能力を高めたいと思ったら、常に考えて行動し、その検証をくり返すことが一番の近道です。是非、実践してみてくださいね。

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